投資信託の基礎知識

受益者が受け取る収益分配金のうち、課税されない分配金のことを、元本払戻金（特別分配金）といいます。決算時に収益分配を行う際に「元本の一部払戻しに相当する部分」として、非課税扱いとなります。

投資信託の一口あたりの値段のことです。投資信託に組入れられている株式や債券などの資産を時価評価し、そこから運用管理費用などを差し引いたものを純資産総額といいます。基準価額は、純資産総額を投資信託の総口数で割って算出します。投資信託を購入したり換金する際の基準となるもので、運用会社（投資信託委託会社）や販売会社などのWebサイトや一部の新聞に掲載されています。

ファンドの運用が開始されてから終了するまでの期間を指します。信託期間の終了時に、運用会社（投資信託委託会社）がその時の運用環境や純資産残高などを勘案し、信託期間の延長が受益者にとって有利であると認めた場合は、信託期間を延長することが可能です。一方で信託期間を無期限としているファンドもあります。

信託銀行とは、信託業務を行う銀行のことで、投資家から集めた資金を管理し、運用会社からの指示で資産の売買を行っています。また、一般の銀行業務も行っています。

信託期間の途中で換金する場合に、ファンド運用の安定を図り、長期保有する受益者との公平性を確保するために、信託財産中に留保される資金です。換金代金から控除されます。

受益者が投資信託を保有している間の運用・管理にかかる費用のことです。投資信託会社（委託会社）、信託銀行（受託会社）、販売会社のそれぞれの業務の対価として支払われます。

投資信託の決算が行われた際に、投資者（受益者）に支払われる運用の結果の収益などを収益分配金といいます。分配方式は、収益を分配金として支払うものや、同一ファンドに自動的に再投資するもの、投資家が再投資と支払のいずれかを選択できるものなどがあります。

投資信託の時価総額のことで、投資信託の規模を示す数字としても利用されます。信託財産の資産総額から負債総額を控除して算出します。簡便的には、次の式で求められます。［純資産総額＝基準価額×受益権総口数］

3ヵ月や6ヵ月、1年など、決められた2つの時点の価格を比較して、何％上昇したか（あるいは下落したか）を表す指標です。価格動向を把握するために用います。

投資信託の運用を指図する会社のことをいいます。具体的には、投資信託委託会社の運用担当者であるファンド・マネージャーが、投資家の資金を管理している受託会社（信託銀行など）に対して、ファンドごとの運用方針に基づいた運用指図を行います。このほか、投資信託委託会社の業務として、投資信託約款の作成、目論見書の作成、受益証券の発行、運用報告書の作成などがあります。

売却した上場株式や投資信託などにより利益を得た場合は、給与所得者（サラリーマン）であっても確定申告が必要となります。その場合、1年間の売買損益の計算を行わなければなりませんが、特定口座は、その手続きを金融機関が代行し、投資家の事務負担を軽減する制度です。特定口座は証券会社、銀行、郵便局などの金融機関1社につき1口座を開設することができます。

投資信託の販売会社とは、投資信託を販売している会社のことです。投資者（＝受益者）の窓口となります。

複数の投資信託を投資対象とする投資信託のことです。投資信託に投資する投資信託、という意味からファンド オブ ファンズと呼ばれています。投資信託会社は一定の選定基準をもとに複数の投資信託を組み合わせてファンドを作ります。

運用によって得られた分配金の中で、課税扱いとなるものを普通分配金といいます。

不動産に投資する投資信託のことで、REITともいいます。REITとは、Real Estate Investment Trustの略です。投資家から集めた資金で不動産を保有、管理し、主に物件の賃貸収入で収益をあげます。オフィスビルやショッピングセンター、マンションなど、対象となる不動産はさまざまです。

運用や管理面の合理化・効率化を図るため、同様の運用方針のファンド（ベビーファンドといいます）の資金をまとめて運用するファンドのことです。実質的な運用はマザーファンドで行われますが、投資家はベビーファンドに対して投資を行います。ベビーファンドの資産規模に関わらず、同一の運用を行えることが、マザーファンド形式のメリットです。

投資信託の目論見書には、投資対象や運用方針、購入時手数料、投資リスクなど、投資家があらかじめ知っておくべき重要な情報が記載されています。投資家に投資信託を販売する場合には、目論見書の事前または同時交付が義務付けられています。