お取引先の皆様には、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご愛顧を賜り、心から感謝申し上げます。
令和4年度のわが国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う行動制限が緩和され、人の動きが活発化するにつれ景気の持ち直しが期待されました。その後7月から9月にかけて感染症の第7波に見舞われたものの、行動制限がなかったこともあり、第6波までのような消費の大幅な落ち込みは避けられました。10月下旬に政府は大型の「総合経済対策」を打ち出しましたが、ロシアによるウクライナ侵攻などの影響を受け、原材料価格が国際的に上昇する中、欧米各国・地域の中央銀行が急激なインフレを抑制するため金融引き締めの動きを強めており、世界経済の動向が日本の金融・経済に与える影響が懸念される状況となりました。
特に当金庫の主要な取引先である中小企業・小規模事業者においては、人口減少や少子高齢化により個人消費の低迷、人手不足や経営者の高齢化等の構造的な問題が深刻化しているほか、コロナ禍に加えエネルギーや原材料価格の高騰などによるコスト上昇等多くの経営課題に直面し、極めて厳しい状況下に置かれました。
令和4年度の事業につきましては、昨年度よりスタートしました長期計画「めぐろチャレンジ100年 Stride2021~ Sure・Speed・Synergy」の基本的理念「創業100年に向けて力強く踏み出し「半径500m」を磨き上げる」の中間年度として、地域社会の発展に奉仕するという基本方針を再認識し、地域のお客様に「感謝」の気持ちを強く持って、業務運営に積極的に取り組んでまいりました。
また、業務の健全性・適切性を確保するための態勢整備に係る「内部管理基本方針」のもと、コンプライアンス態勢の充実・強化を図ると共に、地域金融機関として身の丈に合った本業に集中し、お客様・地域に信頼される健全性・確実性の確保に努め、最大限の機動力を発揮してお客様満足度やサービスの向上に努め、お客様本位の営業を推進してまいりました。
当期の業績は、預積金残高は対前期比1,170百万円増加の191,455百万円とすることができ、また、貸出金残高については新型コロナウイルス感染症の影響を受けている事業先支援を引き続き行い、485百万円増加の101,678百万円とすることができました。定期積金契約高は、対前期比674百万円減少の47,428百万円となりました。
利益面では、低金利環境が続くなか本業重視の営業活動に注力し、経常利益388百万円(対前期比7百万円増加)、当期純利益で266百万円(対前期比10百万円増加)を計上することができました。
なお、自己資本比率につきましては、順調な利益確保による自己資本の充実により11.13%となり、引き続き健全性を維持することができました。
令和5年度のわが国経済は、政府の「総合経済対策」の下支えにより回復基調の維持が見込まれておりますが懸念材料も多く、先行きの見通しにくい状況にあります。
企業業績は、経済の緩やかな持ち直しが続く中、インフレ率上昇や金融政策の変更、コロナ感染再拡大や中国を中心に不透明感を強める海外景気という懸念材料も加わり難しい経営環境にあります。このような中、当金庫の主要な取引先である中小企業・小規模事業者においても、海外景気の下振れが国内景気を下押しするリスクや国内の企業物価上昇の価格転嫁難など、厳しい状況が続くものと考えられます。
令和5年6月