EPISODE _01

地域企業の繁栄 織り重なる二つの想い。
「伝統産業」の魅力を
全国に、世界の人々に届けたい。

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地域の伝統産業に、
もう一度、輝きを。

埼玉県・蕨市に伝わる「双子織」。
江戸時代末期から明治に至るまで、一世を風靡した幻の織物だ。
現在、この織物をよみがえらせ、多くの人々に届けようという試みが進んでいる。
城北信用金庫は、そこに関わる人の想いに、どう応えているのか。
お客さまと共に歩み続ける、営業担当職員の足跡をたどる。

営 業
嶋田 悠太
2012 年入庫
真剣なまなざし。
自分に何ができるのか。

 「地域、そしてお客さまのために考え、行動し、成長を支える。利益などは、その後についてくるものだ」。新たな支店に異動となり、支店長から言われたことがそれだった。正直、実感はなかった。僕にとって、仕事は忙しく、追われるようなものであり、目標との闘いだったからだ。その言葉を信じて、愚直にやってみよう。そう思えたのは、これまでの仕事に限界を感じていたからかもしれない。

 最初に取り掛かったのは、この街の伝統文化を調べることだった。目についたのは「双子織」。当金庫と付き合いのあるお客さまを訪問することを決めた。クチュールカワムラ。品質にこだわり抜いた、オートクチュールサロンだ。この企業の社長を務める、川村みつ子さんは「双子織」を使った商品を多く手掛け、その振興に深く関わっているのだという。

 「笑われるかもしれないけど、この伝統織物を全国の方々、そして世界に向けて発信したいの」 真剣なまなざし。真っすぐに見つめられた。その想いに引きずられるように、胸が熱くなる。セールスなど、しようとも思わなかった。自分に何ができるのか。考えたのはそれだけだった。

「新たな“きずな”」で
ビジネスを革新する。

 何度目の訪問になるだろう。今日も、川村さんのもとへ足を運ぶ。店内はやや手狭だが、きれいで居心地がいい。上品さと温かみを感じさせる洋服・雑貨がていねいにディスプレイされている。何度も通い、対話を重ねていくうちに、するべきことが見えた。発信する力だ。「双子織」の魅力はもちろん、ものづくりの力は十分。足りないのは、効果的な販売チャネル。そして、若者の手に取ってもらえるような新商品の存在だと考えた。

 ビジネスを発展させる、「新たな絆」を取り持たせてほしい。それが、僕からの提案だった。ビジネスマッチングやクラウドファンディングなど、多様な支援を提供する「NACORD」を通じて、商品を取り扱う百貨店や新商品開発のパートナーを紹介する。また、事業創造にチャレンジする街の企業と出会えるトークイベントに招待する。

 「ただ、お金を貸す」というサービスは、ほとんど提案した記憶がない。何より嬉しかったのは、川村さんの目の輝きが変わっていったことだ。「自分たちにもできる」「もっとこんなことができないか」。経営に関する前向きなご相談をいただけることが、「ありがとう」の言葉以上に誇らしかった。

お客さまと共に
夢を追う。

 海外の有名ブランドに「双子織」を素材提供することが決まった。海外のデザイナー・クリエーターに「双子織」を使った商品をプロデュースしてもらうプロジェクトも検討されている。そして、国内大手百貨店との商談も進み、商品を取り扱ってもらえることになりそうだ。

 オリンピックの年には、多くの外国人観光客が日本を訪れることになる。「双子織」を知ってもらう機会はますます広がっていくだろう。ただ、ここがゴールではない。川村さんも、僕も、まだまだここからが勝負だと思っている。

 先日、僕らが紹介した大手企業の幹部が、クチュールカワムラを訪れたそうだ。「店を見回して、『もっと経営について、勉強しないとね』なんて言われたわ。私、何もわかってなかったのね」。そう教えてくれた。腹を立てたわけでも、落ち込んだわけでもない。チャレンジしてやろう。川村さんの目は、ただただ、前だけを向いていた。それは、とても素敵なことなのだと思う。考えてみると、僕も大きく変わった。目標に追われていたものが、今はお客さまと共に夢を追っている。これが、城北信用金庫の仕事なんだ。目の前には、これまでに見えていなかった世界が広がっている。

革新と創造の道を、共に歩む。
中小企業の経営を金融・非金融の両方で支える。
城北信用金庫は、さまざまなソリューションで
一人ひとりの想いに寄り添い、応え続けていく。
その仕事は挑戦する力を育み、やがて世界へとつながっていく。