理事長あいさつ

皆様には益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。

平素は当金庫に格別のお引き立てを賜り、厚くお礼申し上げます。

令和4年度の我が国経済は、年初に新型コロナウイルスの第6波の感染拡大を受け経済活動が制限されましたが、その後の第7波の感染拡大では、政府対応が「新型コロナウイルスへの対応と社会経済活動の両立を志向するウイズコロナの段階」に移行したことにより、景気持ち直しの動きが見られております。

一方、ロシアによるウクライナ侵攻などを契機として国際的に原材料価格が上昇する中、日米の金利差を背景とした急激な円安の進行が国内の企業物価上昇に拍車をかけているため、価格転嫁が困難な中小零細企業の業績が漸次悪化の様相を呈しています。

また、世界に目を向ければ、欧米では、各国・地域の中央銀行が急激なインフレを抑制するため、金融引き締めの動きを強めているほか、中国ではコロナ政策への国民感情や不動産市場の低迷が中国経済の下押し圧力となることが懸念されており、各国の景気後退懸念が高まる中、こうした世界経済の動向が我が国の金融・経済に与えるリスクが懸念される状況となっております。

このように日本経済を取り巻く環境の不確実性が増している中、内外の経済情勢の激しい動きに取引先中小企業が翻弄されることがないように、当金庫は新型コロナウイルス感染症により影響を受けた中小企業の方々に対し、その経営状況やライフステージに応じた適切な金融支援に取り組むとともに、ポストコロナにおけるビジネスモデルの再構築に向けた経営改善・事業再生・事業転換支援や、地域が抱えるさまざまな課題の解決に取り組んでまいりました。

その結果、預金の期末残高は前期より8億94百万円減少し1,005億3百万円となり、貸出金につきましては、6億86百万円増加し387億43百万円となりました。

損益状況につきましては、本業での収益を示すコア業務純益は5億6百万円(対前年度比1億67百万円増)、経常利益は2億54百万円(対前年度比24百万円減)となり、最終的な当期純利益は1億15百万円(対前年度比1億7百万円減)増収減益ではありましたが、金融機関の健全性、安全性を示す自己資本比率は17.80%となり国内基準で求められる4%を大きく上回り十分な水準を維持しております。

また、普通出資に対する配当率は年4%とさせていただきました。

これも偏に、会員の皆様方をはじめ、お取引先各位のお力添えの賜物と深く感謝申し上げます。

さて、令和5年度は当金庫の新中期経営計画(令和5年4月~令和8年3月)の初年度となります。計画に掲げた「支援力の強化と変革への挑戦」~課題解決による地域経済の力強い回復を目指して~をプロジェクトスローガンとして役職員一丸となり取り組む所存でございますので、なお一層のご支援ご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。

2023年7月
理事長 小林 明宗