
平素は当金庫の業務運営に対し、格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
このたび、当金庫において、法令違反等に該当する複数の不適切な業務執行を行っていることが判明し、北海道財務局から業務改善命令を受ける事態となったことに関し、会員の皆さまをはじめ、お客さま、関係者の皆さまに多大なるご迷惑とご心配をおかけしますことを、心より深くお詫び申し上げます。
当金庫は本件の発生を重く受け止め、健全かつ適切な業務運営を確保するため、役職員一丸となって、経営管理態勢の再構築、法令等遵守を含む内部統制機能の充実・強化に取り組んでまいります。
さて、令和6年度については、中期経営計画「とましん3か年計画『支援力の強化と変革への対応』」の中間年度として各種施策に取り組みました。
当該計画に掲げた「支援力の強化」として、企業経営者の高齢化が進む中で増える事業承継の需要に更に一層応えるべく、取引先支援を担う「経営サポート部」を新たに設置するとともに、外部機関である「一般社団法人しんきん支援ネットワーク(SSN)」と“中小企業支援業務提携契約”を締結し、地域の事業者の経営支援のステージを深化させました。
「変革への対応」では、札幌地区・千歳地区および厚真支店より東側の支店に昼休業を導入しました。DX(デジタル・トランスフォーメーション)推進としては、キャッシュレスやモバイル決済の急速な拡大などをふまえ、「BankPay」「ことら送金」の取り扱いを開始することで顧客利便性の向上を図りました。非対面チャネルの活用としては、地方税統一QRコードによる税公金収納の取り扱い開始、通帳磁気トラブル対策としてのHi-Co(ハイコ)通帳導入等を進めてまいりました。役務収益力の強化としては、「あかつき証券」との業務提携による「証券口座開設に係る顧客紹介業務」の取り扱いを開始いたしました。
業績については、預金積金の期中平均残高は5,255億円で前期比5億円、0.1%減少、貸出金の同平均残高は2,559億円で前期比3億円、0.1%減少しました。
損益は、金利上昇による資金運用収益の増加や外貨建資産の償還による外国為替差益、貸倒引当金戻入益等から経常収益は7,695百万円と前期比562百万円増えたものの、含み損を抱えた公社債投信を解約して損失を計上したことで、業務純益は1,861百万円(前期比216百万円減少)、税引後当期純利益が1,557百万円(同297百万円減少)と増収減益の決算となりました。なお、有価証券の評価損が増えたことなどから期末の純資産は55,504百万円と前期比1,165百万円減少しました。
不良債権比率は3.24%(前期比0.19ポイント上昇)、自己資本比率は20.49%(同0.87ポイント低下)です。
令和7年度については、業務効率化の推進、持続可能な収益体質や営業基盤の強化、人材育成への取り組みという中期経営計画の基本方針に従って、各種の施策を実施することはもちろんですが、業務改善命令が発出されたことを受け、中期経営計画の最終年度を「とましん再生の1年」と位置づけ、基本的なコンプライアンス行動を徹底する役職員の意識改革を含め、新たな組織風土を作り上げていきます。
今後とも皆様のお役に立てるよう努力してまいりますので、より一層のご指導ご鞭撻を賜りますよう心からお願い申し上げます。
2025年(令和 7年) 7月