高岡信用金庫

景況レポート

(2025年1月~3月期実績、2025年4月~6月期見通し)

今期(1~3月)は、建設業、不動産業等、一部の業種を除き、ほとんどの業種で売上、収益ともに前期を大きく下回る結果となり、4期ぶりの落込みとなった。

来期(4~6月)については、製造業を中心に今期比上昇を見込むが、長引く物価上昇や人件費等の増加、および米国の関税政策等による先行き不透明感から、ほとんどの業種で景況感はマイナスが続くと予想している。

概況

2025年2月の有効求人倍率は、全国平均1.24倍で前月比0.02ポイント減少(富山県は1.40倍で前月比0.01ポイント上昇)
一方、3月の国内企業物価指数(速報値)は前月比+0.4%、前年比では+4.2%と前月の伸び率を上回り、2024年度の指数でも過去最高を更新した。また、今期(1~2月)の消費活動指数(季節調整済・旅行収支調整済)は97.2(2015年=100)となり、前期(10~12月)比では+0.1%、前年同期比では+0.8%であった。(日本銀行HPより)

当庫の調査においては、今期(1~3月)の景況感(D.I.)は、売上、収益ともに、前期を大きく下回る結果となった。

来期(4~6月)については、売上、収益ともに今期実績を上回る上昇を見込んでいる。

令和7年1月~3月期の日経平均株価は、日銀の利上げ観測の高まりを受けた円高進行や、トランプ米大統領による関税政策への不透明感から軟調に推移した。3月下旬には、米国の自動車関税や相互関税発動を4月に控え、世界的な景気減速懸念が一段と強まり、半年ぶりに36,000円を割り込み、35,617円で引けた。

日経平均株価(単位:円)

 最高最低
1月40,08338,444
2月39,46137,155
3月38,02735,617

業況

今期(1~3月期)の全業種の業況(前年同期と比較した増減率の平均)は、売上額▲1.3%、売上数量▲1.5%、収益が▲1.8%となり、前期(10~12月期)との比較においては、売上額、売上数量、収益ともに減少した。

また、今期における全業種平均での売上額D.I.は、前期より32.6ポイント低下の▲21.6となり、収益D.I.も32.9ポイント低下の▲22.8といずれも前期を大きく下回る結果となった。

来期(4~6月期)見通しの全業種平均のD.I.は、売上額で今期より16.0ポイント上昇し▲5.6を予想、収益でも今期より8.7ポイント上昇の▲14.1を予想している。

売上額DI(「増加」-「減少」の社数構成比)

今期(1~3月期)の全業種総合の売上額D.I.は、▲21.6となり、前期(10~12月期)に比べ32.6ポイント低下。

来期(4~6月期)についてのD.I.は、▲5.6となり、今期に比べ16.0ポイントの上昇を予想している。

収益DI(「増加」-「減少」の社数構成比)

今期(1~3月期)の全業種総合の収益D.I.は、▲22.8となり、前期(10~12月期)に比べ32.9ポイントの低下。

来期(4~6月期)についてのD.I.は、▲14.1となり、今期に比べ8.7ポイントの上昇を予想している。

対前期比売上額DI 2024年
4月~6月
2024年
7月~9月
2024年
10月~12月
2025年1月~3月 2025年
4月~6月
予想
見通し実 績
増加した 37.7 29.8 41.4 25.3 26.3 24.4
変わらず 27.1 36.7 28.2 35.9 25.8 45.6
減少した 35.2 33.5 30.4 38.8 47.9 30.0
「増加」―「減少」 2.5 ▲ 3.7 11.0 ▲13.5 ▲21.6 ▲ 5.6
対前期比収益DI 2024年
4月~6月
2024年
7月~9月
2024年
10月~12月
2025年1月~3月 2025年
4月~6月
予想
見通し 実 績
増加した 31.1 26.3 39.5 22.6 25.7 22.9
変わらず 33.2 36.3 31.1 42.4 25.8 40.1
減少した 35.7 37.4 29.4 35.0 48.5 37.0
「増加」―「減少」 ▲ 4.6 ▲11.1 10.1 ▲12.4 ▲22.8 ▲14.1

*このレポートは高岡市内198社、射水市内等23社、計221社について景気の現況と 見通しについて調査を行ったものです。(回答194社、87.8%)

今期(2025年1月~3月)の景況レポート