WORK & PEOPLE
“ばんしん” 『仕事』『人』

EPISODE

“ばんしん”仕事
お客様同じ方向向いて、
本気課題立ち向かえば
どんな困難でも乗り越えられる。
平成元年創業の地元企業の苦境を救ったのは本当の意味でこの会社の力になりたいと思った熱意でした。
「“ばんしん”として何ができるか」「お客様に寄り添った仕事とは何か」当時の思いを担当者に聞きました。

2016年入庫  西宮支店
就職活動中に「一つとして同じ案件はなく、様々な業種・人々と物事を作り上げていく仕事。」という先輩の話に感銘を受け、自身も同じ仕事をしてみたいと思い、播州信用金庫に入庫した。入庫後は、姫路市内2店舗を経て、2020年より西宮市の店舗に在籍し、渉外活動に携わっている。

EPISODE01

コロナ禍

浮き彫りなった課題

株式会社アテック様は既存の商品・製品を製造するだけでなく、新製品の開発も請け負っていることから、原材料や人件費に投資した資金の回収が2年後になることもあるなど、回収サイトが推測しにくい業種であり、資金繰りには特に気に掛ける必要がある企業でした。

平時は、経理部長が売上入金から金融機関からの資金調達まで、しっかり管理していて問題なかったが、コロナ禍に突入し、ほとんどすべての企業の資金繰りが悪化した中、株式会社アテック様も例外ではなく大きなダメージを受けておられました。特に株式会社アテック様は鉄道関連の製品も多く取り扱っており、大手鉄道会社の経営悪化はそのまま影響しました。

そんなコロナ禍の真っ只中に西宮支店に着任した私は、店周エリアに位置する株式会社アテック様に対して、取引開始をめざし定期訪問していました。ようやく社長・経理部長と面談できた際に、何かお手伝いができないか聞取りした際、短期資金の相談を頂き、決算書を拝見することができました。そこで、私はこの会社の最も重要な課題である、資金繰りのバランスがあっていないことを発見しました。

EPISODE02

取り繕った言葉よりも

本気向き合う姿勢

決算書を頂いた翌日、株式会社アテック様へ訪問し、「短期資金のお手伝いはできません。理由は根本的な課題の解決にならないからです。」とお伝えしました。本当は、決算内容や企業実態を勘案すれば、短期資金のお手伝いをすることはおそらく可能であったし、取引を開始するチャンスだったが、短期資金のお手伝いをしても効果は限定的で、どうしても本当の課題を見過ごすことができませんでした。

そこで、訪問した際に、ひどくお叱りを受ける覚悟で、取り繕った言葉ではなく、一見失礼でも本当に伝えるべき事実をお伝えしました。「一度全部任せて頂ければ課題解決に尽力し最適なご提案をします。」と。社長と経理部長の反応は、「言われた課題はもちろん最も頭を悩ませている点であり、その通りだと思う」と怒っていなかったが、一方で「全部任せる」という点については、現実的ではないと思っておられるようでした。その後、支店長と訪問し方向性の打ち合わせや詳細条件、具体的なアジェンダの確認を繰り返すうちに、我々が本気で取り組もうとしていると感じられ、真剣に方向転換を検討頂けるようになっていきました。

EPISODE03

課題解決ためならば、

当金庫選ばれなくても良いという覚悟

株式会社アテック様の技術力や取引先・経営状況には何の問題もなく、なんといっても最大の課題は資金繰りを見直して、有事を耐え抜くことであった為、最終的に提示した提案内容は、「メインバンクの借入をすべて当金庫にて肩代し、組み換えにより年間の返済を約半分にする。」というものであったが、受けた回答は「魅力的な提案ですが、お断りします。」でした。

理由としては、①創業当時からのメインバンクに対する恩義がある。②メインバンク交代後の支援体制がどうなるのか不明である。

②については、継続的な対話によって解決できるが、①については、以前より伺っていたし、簡単に乗り換える決断をされるよりむしろ理解できる判断であると思ったが、一方でいつコロナ禍が明けるかわからない中で、恩義ではどうしようもない問題でもあると思いました。

そこで、私は、「では、メインバンクでの取組で結構ですので、同じことをしてもらって下さい。」と依頼しました。面談を重ねる中で、最終的に株式会社アテック様がこのスキームに取組めるならこちらが当て馬でも構わないと本気で思えた故の発言でした。

EPISODE04

情熱動かした

一歩

結論として、メインバンクが同じスキームの取組を推進しなかったこと、そして、当金庫の支援したいという情熱を理解頂き、提案通りの内容で取り組みさせて頂くことができました。

具体的な内容としては、合計11本になっていたメインバンクからの借入を当初の用途別に3本にまとめ、最大限CFが軽減されるよう期間を調整しました。年間の返済額が約半分となったことで、繰り返していた短期資金の借入も今後は不要となる水準となりました。

資金調達に充てられていた時間を本業の営業に充当できるようになった結果、新たな取引先も増えるなど一定の効果がみられました。

EPISODE05

任せたい思ってもらえる

なるために

私にとって株式会社アテック様とお取引頂けたことは、大きな転換点となりました。お客様もそうであったように、自分自身もこれだけ大きな決断をして頂けるとは、ご提案した当初は思っていなかったというのが、本音です。それでも、目指すべき方向を信じて、熱意をもって取り組むことで、報われることがあるんだということを教わりました。

本件をお手伝いできたのは、本当に多くの方に手助けを頂いたことが最も大きな要因ですが、中でも当時の支店長には、特に案件の中身のアドバイスやメンタル面のケアまで、私が思うように進められるよう最大限のサポートをしていただきました。

お客様が最終的に当金庫を選んでくださった大きな要因のひとつは、この支店長に任せようと思えたからではないかと思います。

今後は、私が当時の支店長のように同僚・部下に対して同じようなサポートができるようになり、お客様、同僚から信頼されるような支店長にいつかはなりたいと考えております。

お客様よりVOICE

伊藤さんと出会ったのは、コロナ禍で先行きが見えない中、旧メイン銀行の対応に不安を感じていた時でした。初回面談時、その不安を相談した訳でもないのに、すぐに当社の状況を把握して下さり、借換えの提案をして頂きました。
しかし旧メイン銀行との付き合いは創業当初からのものであり、長い期間どうすべきか悩みましたが、伊藤さんの丁寧な説明や提案に誠実さを感じ、播州信用金庫さんにお世話になることを決めました。
取引が始まってからも、販路開拓の相談をした際は、他社さんとのマッチングの場を早期に設けて頂くなど、対応の速さには驚いています。
弊社にとって播州信用金庫さんは恩人であり、これから先も頼れるメインバンクとしてお付き合いいただければと思っています。

株式会社 アテック
代表取締役 滝口 瑛さま