リスク管理態勢

金融の自由化・グローバル化の一層の進展や金融技術の革新などにより、取扱業務や金融サービスが多様化する中で、金融機関が抱えるリスクは一段と多様化、複雑化しています。

当金庫は、リスク管理を経営の重要課題として位置づけ、 BIS規制(バーゼルIII)に対応した統合的なリスク管理態勢を構築し、様々なリスクの正確な把握、適切な管理・運営を通じ、経営の安全性の維持と適正な収益確保に努めております。

当金庫の統合的リスク管理態勢は、理事会を最高意思決定機関、ALM役員会をリスク管理の統括機関としております。毎月開催しているALM役員会では、様々なリスク情報に基づき、各リスクの管理状況の分析報告、改善策の協議及び資産・負債の総合的管理のための各種協議を行っております。

当金庫では、リスクを「信用リスク」、「市場リスク」、「流動性リスク」、「オペレーショナル・リスク」のカテゴリーに分類し、各主管部署及び各管理部署が、各リスクを適切に管理し、健全性・収益性の確保に努めております。

1. 信用リスク

信用リスクとは、信用供与先(お取引先企業・個人)の財務内容 の悪化などにより、資産(貸出金、有価証券等)の価値が減少あるいは消失し、損失を被るリスクをいいます。

当金庫は、信用リスクに関する諸規程等に従い、貸出金について個別案件ごとの与信審査、与信限度額管理、信用情報管理、問題債権への対応など、与信管理に関する態勢を整備し、信用リスクの管理に努めております。また、有価証券発行体の信用リスクに関しては、信用情報や時価の把握を定期的に行うことで管理しております。

2. 市場リスク

市場リスクとは、市場(金利・為替・株価・その他)のリスク・ファクターの変動により、損失を被るリスクをいいます。主な市場リスクは、 金利リスク、価格変動リスク及び為替リスクから構成されています。

当金庫は市場リスクを識別、評価、モニタリング及びコントロールすることにより、経営の健全性を確保し、経営資源の適切な配分によりリスクに見合った安定収益の確保を図っております。

3. 流動性リスク

流動性リスクとは、当金庫の財務内容の悪化等により必要な資金が確保できなくなる場合や、資金確保に通常より高い金利での調達を余儀なくされることにより、損失を被るリスク(資金 繰リスク)と、市場の混乱等により市場で取引できないことにより損失を被るリスク(市場流動性リスク)をいいます。

当金庫では、保有資産の流動性を維持・管理するとともに、安定した支払準備資産の確保に努めております。

4. オペレーショナル・リスク

オペレーショナル・リスクとは、当金庫の内部管理体制、システムが不適切であること、または外生的事象の発生により損失 を被るリスクをいいます。オペレーショナル・リスクについては、リスク管理統括部を主管部署として、その発生防止に努めております。リスクの内容として、事務リスク、システムリスク、法務リスク、人的リスク、有形資産リスク及び風評リスクがあります。

事務リスク

当金庫の役職員等が正確な事務処理を怠る、あるいは、事故・不正などを起こすことにより、損失を被るリスクをいいます。

当金庫では、事務規程等の整備及び事務指導を実施するとともに、 監査部による臨店監査を実施し、さらに各営業部店にて自店監査を「監査計画」に基づき実施し、厳正な事務管理と事故の未然防止に努めております。

システムリスク

コンピューターシステムの障害または誤動作などのシステムの不具合、不正利用等により、損害を被るリスクをいいます。
当金庫では、「危機管理計画(コンティンジェンシープラン)」や「情報資産保護管理規程(セキュリティー・ポリシー)」を制定し、万一 の事故や災害に備えております。

法務リスク

当金庫が法令等に違反し、行政処分やお取引先等からの訴訟により、損害賠償等を被るリスクをいいます。

人的リスク

人事運営上の不公平・不公正・差別的行為(パワーハラスメント、セクシュアルハラスメント等)から生じる損失・損害を被るリスクをいいます。

有形資産リスク

災害その他の事象から生じる有形資産の毀損・損害などを被るリスクをいいます。

風評リスク

当金庫の評判の悪化や風説の流布等により信用が低下することによる損失・損害を被るリスクをいいます。

リスク管理体制図