20世紀の成功体験が通用しない今こそ 地域のお客さま同士をつなぐ 西武信用金庫の強みを活かすとき

西武信用金庫 理事長 髙橋 一朗

西武信用金庫 理事長 髙橋 一朗

TOP MESSAGE

金融サービスという枠にとらわれることなく、 地域の企業、大学、専門家を年間1万件マッチング。

金融サービスという 枠にとらわれることなく、 地域の企業、大学、専門家を 年間1万件マッチング。

少子化、グローバル化、そしてDX(デジタルトランスフォーメーション)が進む中、中小企業は生き残りをかけて懸命の努力を重ねています。その企業活動を支える金融業界も、かつてないほどの低成長時代に入った日本でどのようなサポートをしていくべきか、模索を続けています。特に私たち信用金庫は、法律によって活動地域を定められた存在。地域の企業の存続・発展が私たちの経営を大きく左右します。ですから、地域の企業が抱えるあらゆる課題は、私たちが向き合うべき課題でもあると言えるでしょう。

西武信用金庫では、バブル経済が崩壊した25年以上前から、地域の企業に対する“事業支援活動”に取り組んできました。金融機関という枠にとらわれず、まずは企業の悩みにしっかり耳を傾ける。そして解決につながるノウハウや知見を持った提携先とマッチングを図ったり、お客さま同士をお引き合わせするのです。豊富な知見を持つグローバル企業、大学・専門学校、中小企業診断士や税理士など専門家。西武信用金庫のネットワークから最適な提携先を紹介し、時には年間1万件ものマッチングを実現。新しい事業を立ち上げるなど活力を取り戻した企業に対して融資を行い、地域の存続・発展につなげる。このような良い循環をもたらす壮大なチャレンジを続けています。

金融サービスという枠にとらわれることなく,地域の企業、大学、専門家を年間2万件マッチング。

お客さま同士の相互扶助を応援する原点に戻り、 「地域にあって良かった」と言われる存在に。

お客さま同士の 相互扶助を応援する原点に戻り、 「地域にあって良かった」と 言われる存在に。

コロナ禍は、人々の生き方、働き方に多くの影響を与えました。西武信用金庫にとっては、信用金庫の原点を見つめ直す大切な機会となったと捉えています。そもそも信用金庫とは、相互扶助(共助)を、経営面と資金面から応援するため明治時代に誕生した“協同組合”が原点です。融資したから応援するのではなく、「まず応援する」という前提に立つ。そしてネットワークづくりや融資のために汗をかく。西武信用金庫は、今こそこの原点に戻らなければなりません。

そこで事業支援活動と併せて力を入れているのが、地域全体を盛り上げる“街づくり支援活動”です。教育・子育て・福祉などで地域活性化を担うNPOやソーシャルビジネスの口座を積極的に開設。NPO向けの融資は、金額・件数とも民間金融機関では全国トップクラスを誇ります。個人のお客さまのご理解・ご協力により、預金利息の2割をNPOなどに寄付する『地域みらい定期預金』という商品もつくりました。また、企業と大学・専門学校を引き合わせることで、学生に社会体験のプログラムを提供しています。当金庫主催の『ビジネスフェア』は、22年目の2020年に、『東京発!物産・逸品見本市』は、15年目を迎えた2021年に本格的にオンラインで開催。中小企業のDXにつながるマーケティング活動をサポートしました。

「まず応援する」という原点を守り、地域の皆さんから「あって良かった」と言ってもらえる存在になる。コロナ禍を経て、そういう金融機関、信用金庫こそが必要なのだとまっすぐに語れる時代になったと確信しています。

低成長に苦しむ日本を目の当たりにしてきた 若い皆さんにこそ、21世紀を託したい。

地域の皆さんの共助のスピリットを、ひたむきに応援する。そんな西武信用金庫の姿勢は、若い皆さんにこそ共感してもらえるのではないでしょうか。

20世紀、日本は人口増加をエンジンとした高度経済成長期にあり、めざましい発展を遂げました。バブル崩壊後、21世紀になり、低成長時代に入ります。これからしばらくの間、人口増加が期待できない中、世の中の人すべてが困っている状況は簡単には改善しないと思います。そんな苦しい時代に生まれ、育ち、低成長の日本を目の当たりにしてきた皆さんは、共助を応援する大切さを肌で感じとっているはずですから。

一方で、皆さんは、生まれた時からインターネットがあり、子どもの頃からSNSに慣れ親しんできた世代でもあります。私の年代ではとても思いつかない時代にマッチした提案を、お客さまにしていただけるはずです。アパレル企業からデザインの相談を受け、提案をする。飲食店のメニューづくりやネーミングで協力する。ECサイトを立ち上げる企業には、使いやすいサイトづくりをアドバイスする。若い方々が自らの創意工夫を遠慮なく発信できるよう、先輩職員や上司が環境を整えますので安心してください。

2ケタ成長が当たり前だった20世紀の成功体験は、もはや通用しません。西武信用金庫の強みを活かし、21世紀の新しい成長モデルを生み出す。その大切な仕事を、皆さんに託します。