課 題
まずは顧客の立場で
現状を正確に把握
担当者に相談が入ったのは2019年。当時は複数の金融機関から融資を受けており、返済もそれぞれ。このため状況がより複雑になっていました。「状況を整理し、返済の見通しも立てやすい融資の1本化を目指したい」。これにはきちんとした事業計画のもとで、返済の明確な道筋を立てなくてはなりません。そこで顧客サポート部と連携し、事業計画を策定していくことになりました。「他の金融機関は要求も厳しく、とても残念に感じたことを覚えています。一方でかなしんさんは、親身に私どもの立場で考えようとしてくれました。血の通った温かみのある対応でした」と、鈴木社長は当時を振り返ります。



戦 略
顧客の事業に対する理解と
業界に関する調査で
より確かな事業計画に
業界を知ることが支援の第一歩。顧客サポート部の中野は主力製品の市場分析や社内外の事業環境を調査し、現状分析資料を作成しました。長期的な業績推移、トレンドなどを把握し、改善すべき点も共有。鈴木社長と話し合いを重ねながら内容のブラッシュアップを行い、経営課題を解決するための具体策を提案しました。「社長はいつも協力的で、事業への熱意がありました。実際に工場を案内してもらった時の、若い従業員がハツラツと働く姿や整理整頓されている職場の様子なども印象に残っています。数字には表れない部分でもこの会社なら大丈夫だと確信しました」と話します。



解 決
国の施策と合わせた
支援を開始
2020年7月に計画書が完成。当金庫内でも融資に向け一気に話が進み、10月に融資が実行されました。ちょうど同時期に、コロナ禍における財務基盤の強化、経営力の向上を目的として、日本政策金融公庫が資本性ローンの貸付をスタートしており、当金庫の施策と組み合わせた金融支援を提案。審査も無事に通り、経営基盤のさらなる安定と業績の向上につながりました。
当時の担当者は、「無事に融資が実行でき、社長からも感謝されて良かったです。大変だった分なかなか簡単に経験できることではありません。この仕事をやっていて良かったと感じる瞬間でした」と回想します。



その後
親身に寄り添う関係を継続し
さらなる夢の実現を
計画どおり順調に進み、新しい受注にも積極的に取り組める体制が整いました。発注先企業の専用ラインを導入するほど業績も伸びています。けれども鈴木社長は、本当のスタートはここからだと語ります。「強みの一つである技術力を活かし、他の企業との差別化を進めていくつもりです。事業計画を見直したり、新たな設備投資を検討したり、今後も相談にのっていただきながら、お互いにメリットのある関係を続けていきたいと思っています」。
これからもさらなる夢を語っていただき、その実現のお手伝いを当金庫が担っていきたいと考えています。
自慢の技術力で
木星氷衛星探査機

木星氷衛星探査機「JUICE」が2023年4月に打ち上げられ、その成功を記念し、探査機に使用された観測機器の開発に高い技術力をもって貢献した横浜プレシジョン株式会社様にJAXAから感謝状が贈られました。同社が行ったのは、光学観測機器「鏡筒」という部品へのメッキ加工。探査機は8年かけて木星に到達する予定で、その間過酷な宇宙環境に耐えうる精度の高いメッキ加工技術が求められます。航空、宇宙、防衛関連部品へ精密なメッキ加工を施してきた同社の高い技術力と実績が認められた事例です。
