理事長 ご挨拶

 平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。
 さて、昨年度の我が国の経済は、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化や急激な円安に伴うエネルギー・原材料価格の高騰を受けながらも、新型コロナウイルス感染対策の緩和によって、緩やかながらも経済の正常化が見られました。しかしながら、本年3月にはFRBの急速な利上げにより、欧米市場で金融不安が沸騰する等、海外の景気減速が日本の実態経済に悪影響を及ぼすことも懸念され、先行きの不確実性が高まりました。
 一方、当金庫の営業地域である十勝経済においては、依然として新型コロナウイルスの影響が見られたものの、コロナ禍で落ち込んだ個人消費や観光関連等の回復により、幾分持ち直しの動きが見られた一年となりました。特に基幹産業である農業生産においては、夏場の天候不順や生産コスト上昇に見舞われながらも、管内JA取扱高が過去3番目となる3,494億円を記録し、厳しい環境下の中でも底堅い生産力が示されました。
 このような経済環境の下、当金庫は中期経営計画「~すべては十勝のために~」の初年度として、単年度事業運営計画に14項目の個別施策を掲げ「行動計画」及びその「ねらい」を実現するために、役職員が一丸となって事業運営に当たってまいりました。
 本年5月、新型コロナウイルスの位置付けが5類感染症に移行したことによって、本格的なアフターコロナのステージを迎えた一方で、今もなお多くの地元事業者が不透明感の強い経営環境に苦心しております。こうした中、私ども帯広信用金庫は、事業者の皆さまの資金繰り支援はもちろん、様々な経営課題の解決に資する多様な本業支援メニューによるサポートを徹底することで、十勝経済を守り抜いていく所存です。また、地域の皆さまにどこまでも伴走し、これまで以上に地域に深く寄り添って、地元十勝の持続的な発展に貢献してまいりますので、今後とも変わらぬご支援・ご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。

2023年7月
理事長 髙橋 常夫